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今月の課題曲
先月に引き続き同じ3曲です。このうち、スカルラッティとショパンの曲に共通していることがあります!それは
- 弱起
- 不完全小節
今回、ワタクシ、この2つの言葉を習得いたしました・・・
それでは楽譜を見ていきましょう。
弱起の曲
ショパンのワルツの冒頭です。
最初の小節、せまっ!
せまっ!
ショパンのほうで説明を進めたいと思いますので、おつきあいお願いいたします。
ワルツの3拍子の曲なので、普通だったら最初から
ズン チャッ チャッ(1, 2, 3)ですが、この曲では第3拍の後半半拍からスタートします。つまり、いちにいさん の最後の「ん」のタイミングで曲が始まります。
このように、第1拍以外から始まる曲を「弱起」
第1拍で始まる曲を「強起」
といいます。車台を持ち上げる道具ね。それはジャッキ!
そもそも拍子とは何なのか、楽典から分かりやすい説明を引用しますね。
拍子というのは、何拍ごとかに心理的な強点(力点)を周期的に設定して、拍の進行を整理・統合する組織である。(楽典 理論と実習 音楽之友社)
そして、強点にあたる拍を強拍、他の拍の弱拍という。また、強拍を第1拍、弱拍を第2拍と呼ぶ。(楽典 理論と実習 音楽之友社)
なるほど、4拍ごとや3拍ごとに区切りが欲しくなるんですね。確かに秩序があるからこそ安心して聴ける・美しく感じるっていうのはありますよね。
区切りとなる強点が第1拍になるということが分かりました。第1拍を○で表すと
4拍子 →○●●●|○●●●|○●●●|○●●●|
3拍子 →○●●|○●●|○●●|○●●|
こういうイメージです。
第1拍の見つけ方
?では、例えば小節線が無い楽譜に「拍子記号と小節線を記入しなさい」という問題が出たら、どこが第1拍と判断すればいいのでしょうか。
一般に短い、(あるいは細分された)音の後にくる比較的長い音(または、次の音までに比較的長い時間のある音)を強く意識して聞く傾向がある・・・(楽典 理論と実習 音楽之友社)
つまり、タカタカダーン タカタカダーンという曲があれば、短い音の後に来る長い音ダーンが強点であり第1拍であると推測できるということです。ちょうど良い例がこちら
あとは
第3拍で始まっているハッピーバースデー!これも弱起。
上のパターンの他にも第1拍を探す目安があります。
・・・○印の音が強点に感じられるのは、一般に、和声的な変わり目は、そうでない部分よりも強く意識される傾向を持つためである。(楽典 理論と実習 音楽之友社)
ギターでコード弾きをジャーン ジャーンとする時に、コードが変わってジャーンと弾く最初の拍が強点に感じられる、つまり第1拍になるという風に理解しました。ハッピーバースデーの曲も小説ごとにコードが変わっていますね。
「強」てことは強く弾くのか
ところで、「強拍」や「強点」、「強起」と、だいぶジャイアン的な強さを感じるボキャブラリーの連発でしたが、必ずしも強く弾く!という意味ではありません。
・・・強拍というのは、もともと”心理的な”強点なのであるから、実際に鳴る音の強さとは必ずしも一致しない。
・・・拍子を感じさせる力の内在する旋律やリズムは、全部の音を、均等な音量で鳴らしても、充分に、何拍子かということや、強弱関係を意識させ得るものである。(楽典 理論と実習 音楽之友社)
強弱をつけずに淡々と弾いても、大抵の場合、無意識に強点を感じることができるんですね。
最初と最後の不完全小節で辻褄合わせ
弱起の曲の最後の小節は、最初の弱起分だけ短くなります。ハッピーバースデーの曲でいうと、最初の部分は1拍分だけです。そうなると、最後の小節は2拍分だけになります。最初と最後を合わせて3拍になる計算です。
ショパンのワルツの最初と最後の小節を見てみます。
最後は2と半分の拍子だけです。最初の半拍子と合計すると、なんと3拍子!
おお〜〜。そのほうが聴いていてしっくりしますよね。
弱起の曲の最初と最後の、拍数が足りない小節のことを「不完全小節」と言います。
最初の不完全小節は第1小節として数えません。
最後の不完全小節は小節数に数えます。
↑今回は、こちらの楽典から引用しました。問題集も載っていてかなり良い
↑遺作も載っているショパンのワルツ集です。この版がオススメです
今日は以上です。弱起の曲って意外にたくさんあります。名探偵コナンのテーマ曲のメロディー、ハリー・ポッターのおなじみの曲、山の音楽家・・・。家にある楽譜から探してみます。
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